Clean up! 天使がイタリアから逃げちゃうよ
©FUMIKO HOKOYAMA
恋しい、恋しい、イタリア様
まだほっぺの赤い中学生の頃からズーッと秘かにあなた様をお慕い申し上げておりました。
念願叶い、初めてお会いしたのは19歳の時、美しいあなた様の、奥に秘めた情熱と積み重ねられた歴史の深みに、恋の炎はメラメラと再炎上いたしました。
そして、また、長~い月日が流れ、懐かしいあなた様と再びお会いしました。
が・・・!ああ、何という事でしょう!!
あなた様のお住まいの環境が、あまりに殺伐と暴力的に変貌していたのに愕然といたしました。
なんて、おいたわしや、 ヨヨヨ・・・。
無力のわたくしゆえ、なす術がございませんが、なにとぞ、お身体を御いたわりになり、過ごされますよう、お祈り申し上げます。
かしこ
ナン年も前、フィレンツェのドゥモの日本人の落書きが問題になりましたよね。
が、観光客の落書きだけではないんです。商店街のシャッター、街角、壁、駅の線路脇、構内、列車や地下鉄の車両、至る所が、もんのすごい地元民の落書きで埋め尽くされているのです。
ローマだけでなく、ボローニャ、フィレンツェ、ヴェネチア、ミラノ、お前もかっ!てな具合にイタリア中が汚染されています。
観光に力を入れている?イタリア。
この汚さが気にかからないの?と、イタリア在住の日本人に聞くと、
「あ~、でも住んでいるとそんなに気にしなかった。イタリア人は若い人達のエネルギーのはけぐちで、しょうがないと思っているみたいよ」
涙、涙、涙、・・・・・お願い、気にして!
何百年もの年月の経った石造りの家並みは、その古めかしさゆえに過去へのノスタルジーを感じ、心地よいのです。そこに汚く書きなぐられた落書きがあると、それは・・・あぁ、即、スラムと化すのです。
『落書きの暴力』とでも言いましょうか。
6年前、あまりの悲しさとショックに、当時のベルルスコーニ首相にこのカートゥーンを添えて、直訴しました。クリーンアップ・キャンペーンをして、美しいイタリアをよみがえらせてと。
当然、音沙汰なしでしたが・・・
落書き生諸君、試しに、自分ちのリビングの壁一面に書いてごらんよ。
じいちゃん、ばあちゃん、父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃん、妹に、どやされ、しばらく口きいてもらえないから。
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